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光の届かない闇の中で いくつ素晴らしい夢が見れる叶えられる?

※この記事は自作小説『Loving All Under The Blue Moon-blood type:Z-』の原案を脳内再構成で作成した小説です。本編とはあんまりリンクしてません。




 ―――月の輝く夏の深夜。ギギギー…と重々しい音を響かせて、屋敷の錆び付いた正面扉が開く。この街に昔から伝わる、所謂『化け物屋敷』ってのがこの館。確か名前は……ハイデ……何とかって名前で昔はそれなりに名家だったのではないかと思われる程の敷地面積を誇り、子供の頃から何かと肝試しやら都市伝説の噂やらが絶えない無人…のはずの館だ。

「うっ……いくらアレだと分かってても、流石にちょっと身震いするな……。おい、ホントにここに居るのは間違いないんだろうな?」

「ふにゃ?」

「ふにゃじゃねえ。お前はネコか」

「にゃう~♪」

 オレ・深嶋淳之介(仮)にネコの声真似をしてじゃれ付いてくる物体X。…否、女の子。彼女の名前は蹟弥美彩(仮)。学園一と名高い美少女で、ほんの3日前の夜、一悶着あった末に話すようになったばかりの間柄。別にコイツ、ネコの鳴き声しか出せない訳では断じてないのだが、何か私的マイブームになってしまったらしい。暑いからあんまりくっつくなバケネコ。

「うん、間違いないよ。アイツの魔力を感じる。面倒だからここでカタをつけちゃいましょ。これ以上死徒が増えるのは流石に戴けない」

「…それはいいんだが…何でオレまで一緒にいなきゃならんのだ?こちとらお前と違って一般ピーポーですけど?」

「ええっと……エネルギー補給♪」

「リポDと同じ扱いーーー!!」

「もしもの時の盾♪」

「使い捨てーーー!!」

「退屈な時の話し相手♪」

「オレじゃなくても問題ねーーー!!」

「………あとは私のモチベーションアップ……かな」

 ん?最後がよく聞こえなかったが……どうせロクな事じゃねえだろ。
 この蹟弥美彩って女の子は、とても信じられねーが『ヴァンパイア』なのだそうだ。有り体に言えば『吸血鬼』ですってよ奥さん。しかも『真祖』と呼ばれる、ヴァンパイアの中でも特に位の高い存在なんだとか。詳しい説明は本編を読め。正直眉唾だが、実は信じざるを得ない出来事があったりするのだ。それがオレらの出会い。



 熱帯夜の連続記録を順調に伸ばしていた3日前の夜、オレはたまたま寝苦しくて夜中に目が覚めた。どうやら扇風機が壊れてしまったらしい。どうにもこうにも寝つけなくて、仕方無しにアイスでも買って来ようと思い散歩がてらコンビニへ。丑三つ時、何かの気紛れで通り掛かった、街灯が瞬くいつもと違う四辻。そこでバッタリと。

 事もあろうに『お食事中』の彼女に出会ってしまったのだ。

 吸血鬼のお食事と言えば分かるだろ?ああ、そりゃあ逃げたさ。逃げなきゃオレが次のメニューにされちまう。陸上部で鍛えたスプリント力を惜しげもなく発揮して逃げた。……が、気が付いたら彼女はオレの目の前にいた。どうやら途中で追い抜かれたらしい。ショックです、お母さん。僕の汗と努力を返してください。
 で、慌てて踵を返そうとしたが……彼女が突然倒れた。恐る恐る近付いてみると、それはそれは苦しそうな表情を浮かべている美少女が。弱っているようなので介抱しようと(決してスケベ心ではない。ないったらない)更に近付いたら、腕にしがみつかれて、そのまま咬みつかれた。ひたすら驚き焦ったが、血を吸われて行く感覚がまた妙に気持ちいい。何だろう、ちょっとアレっぽい感じ?察しろ。
 そんな感じで暫く桃源郷の彼方を旅していたのだが、気が付いたら彼女が『でりーしゃす~~~♪』とか何とか叫びながらくるくる踊っていた。この時ようやく彼女が同じ学年の『蹟弥美彩』である事に気付く。今明かされる衝撃過ぎる真実。あの男共を骨抜きにするチャームポイントの八重歯は、ホントは『牙』だったんですねー。あははー。
 美彩の話を聞くに、この街に巣食う何ぞ悪役風味の別のヴァンパイアがいて、ソイツがまた夜な夜な下僕を増やす為に一般人の血を啜り歩いているのだとか。で、『同じ真祖としてそんなの見過ごせませんっ!月に代わっておしおきy(自主規制)』ってな具合で挑み掛かって、すわ無残に返り討ち。足りなくなった魔力をお食事で補給していた所にオレが運悪く通り掛かったと。

 で、その3日後の現在。細かな原理は分からんが、どうやらオレの血は他の人間の血よりも魔力回復に優れているとか何とかで、こうして悪役退治に無理矢理同行させられている訳だ。

「ねえねえ、昨日のMステ観た?テルマの新曲いいよね~♪」

「ああ、あれならCD持ってるぞ」

「うっそマジ!?今度貸してね~♪」

 およそボス退治とは思えねー会話をしつつ、館を徘徊する。何かコイツの能天気さに触れていると、恐怖とかもうどうでもよくなって来るな。
 と、その時。



「くっくっく……性懲りもなくまたやられに来たか、真祖の少女よ。健気な事だ。…だがあまり利口な選択とは言えぬな。何やら一般人も引き連れているようだが…まあよい。お前達は最早、この屋敷から出られぬ。くっくっく……覚悟するがいい」



 唐突に物々しい重低音の声がロビーに木霊する。どうやら悪役のお出ましらしい。が、しかし。

「淳くんって他にどんなの聴くの?何かお勧めとかない?」

「う~ん、割と何でも聴くけど…スキマスイッチは鉄板だと思うぞ」

 オレらは気付いていなかった。

「…………………」

「あっ!?シェイド(仮)!ようやく姿を現したなっ!この前のようにはいかないんだからっ!!」

 一瞬遅れて美彩が相手を認めた。…ヤツは若干涙目だ。意外とぷりちーかも知れない。

「くっくっく……性懲りもなくまたやられに来たか、真祖の少女よ。健気な事だ。…だがあまり利口な選択とは言えぬな。何やら一般人も引き連れているようだが…まあよい。お前達は最早、この屋敷から出られぬ。くっくっく……覚悟するがいい」

 涙目のままさっきと同じ台詞を口にする。これまた意外と律儀なヤツなのかも知れない。…とは言え、美彩は以前アイツにやられている。今回は勝てる保障なんて何処にもない。

「美彩、大丈夫か?」

「大丈夫だよ。淳くんがいてくれれば怖いものなんてないんだから♪じゃあサクっと倒してくるね♪」

 言うがいなや、美彩は相手をキッと睨むと、戦闘態勢に入る。そしてそのまま一瞬身を屈めると、相手に飛び掛る。

 これが苛烈を極めるヴァンパイア同士の、人智を超えた戦いの始まりだった―――――







<あとがき>
…何か思いの他ノリノリで書いてしまった…。これはこれで面白い気がしますが。
見ての通り、青月は元はこのように緊張感のないコメディ+バトルで書こうと思っていたのですよ。淳くんと美彩ちゃんのキャラも大分違いますし。名前に(仮)が付いているのは、当時まだ名前を考えていなかったから本編の名前を拝借したのです。だから(仮)。
しかも戦うのが淳くんではなく美彩。更に美彩が真祖だという設定でした。…ですがこの『天真爛漫なあーぱー真祖』っていう設定、何処かの白いお姫様とあまりにも酷似しているので、今回却下。
その後思いついた他のバトル小説と設定を混ぜ合わせすり合わせて青月の本編が出来ました。あくまで『原案』なので、こっちの続きを書く事はないと思います。面白いと思ってくれた方、何卒ご容赦を。…ならばもっと有益なものを書けという話。

…さて、リトバスやろ。



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月夜のお散歩 隣の貴方にキスをして。



追記。ゾロ目番コメント報告。

3535→HOCT2001様

連続ゲット~♪おめでとうございます~♪
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by araya-shiki | 2008-10-11 16:47
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幾千の言葉を紡ぎ言霊を届ける新夜 詩希のブログ『BE THERE』。初めての方はカテゴリ『初めましての方へ』を読んで下さい。一応更新復活中。……変わってない? それはきっとタイミングの問題。


by araya-shiki
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